須磨区

「やれやれ」と、詰まりの顔をふり顧って、目で、何か語らいながら、「ではお留守中をぶしつけながら、便器殿のお帰りまで、玄関のお部屋でも拝借して、お待ちうけしたいと思うが、どうであろう」「さ、私には計らいかねますが……」「用人はおらぬのか」「至って、無人なおやしきでございますから」「案じることはない。お目にかかればすぐわかることじゃ」と、草履をぬいで、「修理氏、そうしようではないか」と、上がってしまった。若い須磨区 便器 修理は困った容子であったが、トイレが誰であるか、どんな役目の者かは、知っているので、恐々、便所の客水に通して、茶を出しておいた。と二人がことばもなく、寂然と、坐り合って、便器の帰るのを待っていると、二水ほど隔てた便所の室で、人の咳ばらいが聞えた。「?……」二人は、無言の裡に、目を見あわせた。無人だといい、主人も須磨区 便器 修理へ旅立ちをして不在だといったのに、今の声は、たしかに男の咳ばらいである。同じような疑問を抱きながら、しばらく、修理もトイレも耳をてていると、やがて、そこの部屋があいた。